About TAMvr
皆さん、こんにちは! Toyama Art Brut Museum virtual and real(とやまアール・ブリュット・ミュージアム -仮想と現実-:TAMvr〈タム・ブイアール〉)の館長代理、佐伯史麿です。
「Museum」の語が名称に入ったりしているため、「どこの財団の運営?」などと思われた方もおられるのではと案じますが、こちらはわたくし佐伯が一人で始めた個人的なホームページです。
私は2022年(令和4)の春、富山県の画家・米田昌功さんが主宰されるアートNPO 工房 ココペリさんを不思議なご縁で手伝うことになり、そこでアール・ブリュットなるパワフルワールドにすっかり魅了されてしまいました。
アール・ブリュット(Art Brut)はさまざまに拡大解釈されるなど、扱いが難しい言葉のようですが、「美術の伝統や美術教育の影響の外にある人が、本能の赴くまま自由に創った “独創的な” 絵画、造形、表現」のことを指すのだと私は解釈しています。
この創作分野は日本国内はもとより海外、ことに欧米でとてつもなく大きな評価を受けるという現実を知り、「外国向けのバーチャル・ミュージアムのようなもの」を創りたいと考えるようになりました。
一方でSDGsやダイバーシティなどの動きに連動するかのごとく、この富山県という中央から離れた地方でも、近年はアール・ブリュット熱が高まりつつあり、作品が公共の場で展示されたり、企業による購入・展示がなされたりする機会が増える傾向にあります。
店内に展示されているココペリさんの作品
そしてなんと、かの世界的大企業・スターバックスの射水歌の森運動公園店(富山県射水市)では、2020年のオープンにあわせて常設スペースが設けられました。「社会から求められる文化」になってきていることの証しといえます。
せっかく実際に作品を鑑賞できる場が県内各地にあるのならば、そうした場所を「Realな展示スポット」と見立てて紹介し、関心のある方に足をお運びいただければとの思いから、「Toyama Art Brut Museum」のあとに「virtual and real」を付けることにしました。
現在、富山県内でアール・ブリュット的な活動をしてらっしゃるのはココペリさんのみといっていい状態であることから、紹介させていただく作品や作家さんはほとんどココペリさん関連となっておりますが、アール・ブリュットの潮流は日本全国、いえ、世界規模の大きなうねりとなっているため、今後はココペリさん以外の県内作品を取り上げさせてもらうことも多くなるだろうと感じています。
ところで、そんな個人的なサイトに「Museum」などと大それた呼称を用いた理由には、次の3点があります。
① URL等に「museum」を含めることで、
こうした作品に大きな関心を寄せる
海外の人たちに届く可能性が高まるから。
② 作家さんたちに
「常設のMuseum(美術館)に展示されている」
との思いを持ってもらえるかもしれないため。
③ その名にふさわしいパワフルな作品たちを
展示する場であるから。
以上の理由によりスタートしたバーチャル・ミュージアムですので、将来的に何らかの形に発展させていければと願ってもいます。
立山曼荼羅 大仙防A本 (個人蔵)
ここで、私自身のことを話させてもらいますと、私は北アルプス・立山の雄山神社の元神主という、アートの世界からすると全くの門外漢でございます。
ただ、立山には「立山曼荼羅」という、日本的な精神文化がギュっと詰まった伝統絵画がありまして、それを生み出した集団を先祖に持っており、また、自分でも若いころにイイカゲンな絵をいくつか描いて個展モドキを催すなどしておりました。とはいえ、美術上の教育を受けたり、正式なアートの活動に身を投じたりしたことはありません。
そのような者が運営する「TAMvr」ではありますけれど、企画展の開催や常設展の一部入れ替え、作家ヒストリーの掲載などを続けていきたいと考えていますので、時折ご訪問いただければ嬉しいです。
なによりも、アール・ブリュット作家さんたちの Pure で Powerful な作品群に触れることで、皆さまの日々の時間が輝きに満ちたものになりますよう、祈念いたします。
長くなりましたが、ここまでお読みいただき、まことにありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
2022年(令和4)
新緑まぶしい5月初旬の朝
館長代理 佐伯史麿
立山(雄山)頂上にて
2008年(平成20)ごろ(大昔の写真でスミマセン)